【誰も触れないホームページ】担当者が辞めたあとに、先に控える契約とログイン

作った人が辞めた。制作会社との契約も終わっている。サイトは開いているのに、お知らせの一字も変えられない。ドメインの更新メールが、もういない人のアドレスに届いていることにも、あとから気づきます。
結論です。ホームページは、存在しているだけでは自社の持ち物になりません。 ログイン、契約、更新通知の宛先、フォームの届き先が、今の担当に届く状態で、初めて触れます。パスワードを推理して入る話ではありません。請求と登録情報から、正規の再設定と名義の確認をします。
この記事では、フリーランスのWebディレクター兼エンジニアとして、担当が不在になったサイトで先に控えるものを整理します。復旧に何日かかった、という個別の日数は出しません。
先に控える、5つの鍵
別々の会社に渡していることが多いです。一つ見つかっても、残りは残ります。
- サイトの管理画面。 WordPress などの、文章を変える場所。ログインのアドレスは、トップページから辿れないことがあります。
- サーバー。 ファイルと、表示の設定。管理画面のパスワードとは別です。
- ドメイン。 住所(example.jp のような名前)の契約。更新を忘れると、サイトもメールも止まります。止まったあとの回復は、事業者の手続き次第で、すぐ戻るとは限りません。
- メール。 同じドメインでも、ホームページのサーバーと、メールの契約先が違うことがあります。サイトに入れることと、◯◯@example.jp を受信できることは別です。
- 解析と Search Console。 アクセスと検索の画面。タグがサイトに入っていても、見るアカウントが退職者の個人アカウントだと、数字を自社が確認できません。
見つける場所は、記憶より請求
前の担当の頭の中を再現しようとしない。残っている紙とメールから、契約の名前を拾います。
- 請求書、領収書、クレジットカード明細。件名に、サーバー、ドメイン、保守、CMS。
- 契約時のメール。件名に、ログイン、納品、アカウント発行。
- 自社ドメインのメールが、まだ受信できるなら、その箱に更新案内が残っていないか。
分かったら、その事業者の「パスワード再設定」を、登録されている自社のメールから行います。登録メールが退職者の個人アドレスのままなら、再設定の案内もそこに行きます。そのときは、事業者のサポートに、契約名義と請求の事実を伝えて、宛先の変更を依頼します。他人のアカウントをこちらで使う手順ではありません。
制作会社の管理画面に、自社のサイトが同居していることもあります。その画面のIDを共有してもらうのではなく、自社名義のアカウントを発行してもらう、が境界です。契約が終わっているなら、書き出せるデータ(記事、画像、フォームの通知先)の引き渡しを、先に依頼します。
名義が自社でないときに、起きやすいこと
ドメインの登録者、サーバーの契約者、CMSの管理者、解析の所有者。この四つが、制作会社のまま、は珍しくありません。公開直後は問題になりにくいです。人が辞めた後、契約が終了した後で、更新も移管もできなくなります。
戻すときに確認するのは、次です。
- ドメインの登録者情報と、更新案内のメール宛先が、今の自社アドレス(個人アドレスで無い)か。
- サーバー契約の請求先が、自社か。
- 管理者ユーザーが、個人名の1人だけになっていないか。共用の権限を1つ足し、不要な個人を外す。
- 解析と Search Console に、自社が管理するアカウントが残っているか。タグを貼り直す前に、今の権限を見ます。貼り直すと、過去の画面と切れます。
移管のボタンを、案内を読まずに押さない。ドメインを動かすと、メールの参照先も一緒に変わることがあります。サイトだけ移すつもりが、翌日からメールが届かない、がこの場合です。作業の前に、メールの契約先を別紙で確認します。
引き継ぎメモに、最低限書く内容
新しい担当がまた辞めても残るように、パスワードそのものはメモに書かない。パスワード管理の場所と、次の行だけを残します。
- 管理画面のURL、サーバー、ドメイン、メール、解析、契約先の名前。
- 請求が届くメールアドレス。
- 更新月(ドメイン、サーバー、保守)。
- フォーム通知先。
- 触ってよい範囲(お知らせのみ、料金は稟議後、など更新条件も)。
- 障害時に連絡する相手(制作者、サーバー、メール)。
この紙が無いサイトは、次の担当も同じ調査からになります。制作の納品物に、この1枚を入れるかどうかで、数年後の止まり方が変わります。
人の記憶に残したサイトと、契約先を紙にしたサイト
悪い例:IDをチャットで送り、請求は社長個人カード+自動更新しない
担当の退職で、チャットが閉じる。更新メールは、社長個人アドレスへ行く。更新期限のあとで、サイトが開かない、メールが送受信できない、から調査が始まります。
良い例:契約先と更新月だけが、社内に残っている
パスワードは管理ツールにある。紙には契約先、更新月、通知先、障害連絡先。人が替わった月に、管理者ユーザーと、更新メールの宛先を見直します。
担当不在のサイト 引き継ぎチェックシート
対象 | 自社にあると確認できるもの | 無いときの第一手 | 人が替わったときに見ること |
|---|---|---|---|
管理画面 | URLと、入れる人 | 納品メール、制作者へ正規の発行依頼 | 不要な個人ユーザーを外す |
サーバー | 契約者と請求先 | 明細から事業者を特定し、再設定 | 請求メールの宛先 |
ドメイン | 登録者と更新案内の宛先 | 事業者へ名義・宛先の変更 | 更新月、個人アドレスの除去 |
メール | 受信できる共用アドレス | サイト用サーバーとメール契約を分けて確認 | 転送先が退職者でないか |
フォーム | 通知先の一覧 | テスト1通で、今の箱に届くか | 人事の変更のたび |
解析 | 自社が管理するアカウント | 権限の付与。無ければ新規は最終手段 | 個人Googleだけになっていないか |
Search Console | 自社の所有者かユーザー | 権限の付与を先に依頼 | 退職者を外す |
メモ | 契約先、更新月、連絡先 | 上の確認が終わった行から書く | パスワードは書かず、保管場所だけ |
まとめ:開いているサイトと、触れるサイトは別である
担当が辞めても、契約と宛先が自社にあれば、文章は直せます。記憶と個人のログインに置いたままだと、サイトは開いたまま、中だけ止まります。診断という商品名である必要はありません。
ログインの所在、ドメインとメールの契約の切り分け、引き継ぎメモの作り方の相談は、相談・お問い合わせからどうぞ。