Webサイト運用

【作り直す前に】そのホームページ、古いのか更新が止まっているだけか

【作り直す前に】そのホームページ、古いのか更新が止まっているだけか

デザインが数年前のままに見える。問い合わせも、以前ほど来ている気がしない。だから全面リニューアル、という話が先に出ます。見た目の古さと、仕事が止まっていることは、同じ原因とは限りません。

結論です。古く見えることは、作り直す理由の一つにはなります。それだけで、今のURLと中身と計測を捨てる理由にはなりません。 先に分けるのは三つです。見た目が今の事業と違う。載っている事実が古い。届き方(スマホ、フォーム、検索、計測)が切れている。直し方は、この三つで変わります。

この記事では、フリーランスのWebディレクター兼エンジニアとして、作り直す前に残すものと、直した方が早いものを整理します。問い合わせが何%戻った、リニューアルで売上が伸びた、といった確認できない成果は出しません。

今すぐ分ける、「古い」の3種類

1. 見た目が古い

フォント、余白、写真のトーン、ボタンの形。開いた瞬間の印象です。信頼を下げることはあります。検索の順位が、見た目の年式だけで落ちる、という公式のルールはありません。ここだけの問題なら、全ページを捨てなくても、共通部分(ヘッダー、フォント、写真、ボタン)の差し替えで足りることがあります。

2. 事実が古い

料金、人、営業時間、所在地、対応メニュー、事例。見た目が新しくても、ここが違うサイトは、来た人の判断を誤らせます。更新の仕組みが無い、触れる人がいない、が本体です。新しいデザインに載せ替えても、更新する人がいなければ、また止まります。

3. 届き方が切れている

スマホで読みにくい、フォームの通知先が退職者、計測タグが外れている、よく見られていたページのURLがブックマークと違う。これは改装の問題というより、今のサイトの点検です。見た目を新しくする前に、届いているかを見た方が、原因の切り分けが早いです。

作り直しで、静かに落ちやすいもの

新しいサイトは、公開した日がスタートです。今のサイトが持っているものは、自動では移りません。

  • URL。 ページのアドレスが変わると、検索結果、名刺、他サイトからのリンク、社内の案内が、古い方を指したままになります。移すなら、旧URLから新URLへの転送(リダイレクト)を、公開前の一覧で決めます。転送すれば順位が維持される、とは言いません。転送が無いと、古い入口が切れたままになりやすい、が実務です。
  • 検索で見えていたページ。 アクセスの少ないページを「不要」とまとめて消すと、その語で来ていた人の入口も消えます。消す前に、Search Console か解析で、そのURLに表示・クリックがあるかを見ます。
  • 計測の続き。 タグを付け替え、プロパティを新しくすると、前年と同じ画面と比べられなくなります。比較が要るなら、同じ計測を残すか、切れた日を記録します。
  • ページにしか無い事実。 カンプに無い注釈、対応外、料金の条件。デザイン優先で本文を短くすると、電話で説明していた条件がサイトから消えます。

直す方が早いとき、作り直した方が早いとき

目安です。必ずこう分けろ、という基準値はありません。

直す方に寄せやすいのは、事業の中身は今のサイトと大きく違わない、更新したい事実が数ページに収まる、壊れているのがフォームかスマホか一部のページ、という場合です。共通の見た目だけを直し、事実の更新と、切れている届き方を先に通します。

作り直した方が早いのは、ページの種類そのものが今のメニューと違う、スマホとPCで別サイトになっている、誰も触れる管理画面が無い、修正のたびに表示が崩れて見積が作り直しに近づいている、という場合です。このときも、残すURLの一覧は先に作ります。新規制作は、古いサイトの廃棄とセットではありません。

見積を並べる前に、発注側が書く1枚

3社の金額がバラバラになるのは、直す範囲が揃っていないからです。見積依頼の前に、次だけ書けると、比較が同じ仕事になります。

  1. 残すURL(トップ、サービス、採用、よくある質問など、名前で列挙)。
  2. やめるページと、そのアドレスを新しいどこへ転送するか。
  3. 今起きている不具合(届かないメール、古い料金、スマホで読めない、など事実だけ)。
  4. 公開後に更新する人と、その人が触れる画面(お知らせだけ、事例も、料金も)。

この1枚が無い見積は、「きれいなサイト一式」になりやすいです。一式の中身は、会社ごとに違います。

全部新しくした発注と、残すものを書いた発注

悪い例:雰囲気が古いので、ページ構成ごと新規

旧URLの一覧が無い。公開日に名刺と検索の入口が切れる。新しい文章は短い。条件は電話に戻る。解析も新しい画面になり、減った原因が見えない。

良い例:残すアドレスと、直す画面を分けた

見た目は共通部分から直す。事実が違うページだけ本文を差し替える。フォームの届き先を先にテストする。アドレスを変えるページだけ、転送を公開チェックに入れる。きれいになったことと、入口が生きていることを、別々に確認します。

リニューアル前の切り分けチェックシート

見るもの

古い、の中身

先にやること

作り直しを判断する基準・条件

第一印象

写真、フォント、余白

共通部分の差し替えで足りるか見る

テンプレートの限界で、部分修正のたびに崩れる

事実

料金、人、時間、メニュー

違う箇所を一覧にする

ページの種類が、今の事業と一致しない

URL

検索・名刺・外部リンク

残すアドレスを書く

管理画面が無く、URLの維持ができない

転送

変えるページ

旧→新の対応表

対応表が無いまま公開日が決まっている

スマホ

読めるか、押せるか

実機で主要3ページ

PC専用の別サイトになっている

フォーム

通知先と受信

テスト送信を記録

フォームの仕組みごと不明

計測

タグの有無、比較したい期間

切る日を決める

タグの在りかが誰も分からない

更新者

公開後に触る人

その人が触る画面を見積に入れる

更新者がおらず、事実がまた止まる

まとめ:新しい見た目より先に、残す入口を決める

全面リニューアルが悪い、とは言いません。悪いのは、何が古いかを分けないまま、URLと事実ごと捨てることです。診断という商品名である必要はありません。

残すページの切り方、転送の一覧、直す範囲の見積の相談は、相談・お問い合わせからどうぞ。