【公開後半年】半期を超えたらGA4はここを見る!成果を加速させる業種別データ分析と改善術

公開から半年。3ヶ月目に流入とフォームの動作は見た。次にどの画面を開けば、問い合わせや売上に近づくのか。レポートのスナップショットを毎月保存しているだけでは、数字の記録で終わります。
半年は、通過点というより、月ごとの増減、季節、もう一度来た人の動きが見え始める時期です。3ヶ月目は「点」(どこから来たか、計測は生きているか)。半年目は「線と面」(推移、再訪問、成果までの経路、スマホとPCの差)。ただし件数の少ないサイトでは、率は1件で大きく動きます。傾向は見えても、倍増は約束しません。やることは、質の高い行動の型を拾い、詰まっている場所を1つ直すことです。
この記事では、フリーランスのWebディレクター兼エンジニアとして、3ヶ月目のあとに見る場所を整理します。CVが1.5倍、成果が2倍、といった確認できない数字は出しません。画面名はキーイベント改称後の GA4 に合わせます。3ヶ月目の3画面(トラフィック獲得、ページとスクリーン、イベント/キーイベント)がまだ不安なら、先にそちらを固めてから進めてください。
3ヶ月目と半年目で、見るものが違う
3ヶ月目は初期チェックです。計測漏れ、フォーム停止、想定と違う入口。期間は短く、リピートも季節もまだ読みにくいです。
半年目は、同じ3画面を「月で並べる」ところから入ります。レポート右上の期間を、公開月〜昨日と、直近3ヶ月の両方で切ります。前半3ヶ月と後半3ヶ月を比べると、検索が増えたのか、 Direct のままなのかが見えます。そのうえで探索を足します。標準レポートだけでは、新規と再訪の成果差、キーイベント直前のページ、デバイス別の差は取りにくいです。
データ保持期間がデフォルトのまま(2ヶ月または14ヶ月)だと、探索で古い月が欠けます。半年を見るなら、管理画面のデータの保持が14ヶ月になっているかを先に確認します。ここが2ヶ月のままだと、経路探索は直近しか出ません。
半年経ったら確認する、3つの応用
キーイベントが空のまま探索に入らないでください。成果の定義が無いと、経路も定着も比較できません。
1. 定着(新規とリピーター)
GA4 の「新規」は、そのプロパティで初めてのユーザーです。再訪は、以前にセッションがあるユーザーです。標準の集客だけでは、再訪のキーイベント率が並ばないことがあります。
見る場所は 探索 → 自由形式 です。行に「新規 / 既存」(画面表記はバージョンで「新規/リピーター」になることがあります)。値にセッションとキーイベント。期間は半年。新規のセッションは多いがキーイベントがほぼ再訪側、という分かれ方はよくあります。そのときは、初回で信頼材料(料金条件、対象外、事例)が足りないか、再訪用の連絡手段(会員、メール、LINE)がサイトに無いかを見ます。逆に再訪が極端に少ないなら、ブックマークされる理由や、次回の案内がページに無い、という型です。業界の「適正なリピート率」はここでは出しません。自社の新規と既存の差だけを見ます。
2. 成果までの経路(経路探索。広告のアトリビューションは件数があるとき)
「最初にどこから入り、どのページを経由して送ったか」は、探索 → 経路データ探索 が向きます。終点にキーイベント(問い合わせ完了、購入、資料請求など、設定済みのもの)を置き、ノードをページタイトルまたはページパスにします。公式ヘルプどおり、終点から遡る使い方です。キーイベントが月に数件だと枝は細く、ノイズです。よく通る1本(例: 事例 → サービス → フォーム)が見えたら、その途中のリンク切れや、フォームが遠いことを疑います。
広告を出していて、キーイベントが十分あるなら、広告 → アトリビューション でチャネルの貢献を見ます。中小のコーポレートサイトで広告が無い、成果が月1件、ならアトリビューションのモデル比較は後回しで構いません。経路探索の方が先です。
3. デバイスとページの詰まり(探索 → 自由形式)
行にデバイス カテゴリ。値にセッション、キーイベント。スマホのセッションが多いのにキーイベントがPCに偏るなら、フォームの押しやすさ、電話ボタン、横スクロール表を実機で見ます。離脱「率」は GA4 の直帰率そのものではありません。見るなら、特定ページの表示回数に対して次のページやキーイベントが極端に少ない組み合わせです。料金、カート、フォームのページを行に置き、キーイベントを値に置くと、表示は多いが成果が乗らないページが出ます。
曜日・時間帯は、探索に日時のディメンションを足すか、標準のユーザー属性では足りないことが多いです。店舗や教室なら、予約の空きとアクセスの山がずれていないかを見る、という使い方です。フォームの「入力途中離脱」は、標準では取れません。ページ表示と送信完了の差が、現場で言うフォーム離脱の代用です。項目ごとの離脱率70%、はイベント設計が無い限り GA4 には出ません。
【業種別】半年データで打つ更新
3ヶ月目が「導線を1本足す」なら、半年目は「半年間よく通った場所を厚くする」「詰まっている画面だけ直す」です。全ページのリニューアルは、まだ早いことが多いです。
小売(ECと店舗の併用)
見るのは、新規/既存別の購入・来店キーイベント、月次の流入(セール月や新商品の前後)。スパイクが広告やSNSだけなら、その着地ページに在庫と来店が書いてあるかを見ます。再訪のキーイベントが高く、新規が戻らないときは、購入後や来店後の案内(メール、会員、LINE。持っているチャネルだけ)と、半年よく見られたカテゴリの一覧ページです。ランキングを常設するなら、実在する表示順と在庫に合わせます。架空の「売れ筋」は書きません。
ミニ事例です。単発の商品閲覧で終わり、再訪の計測もしていない型と、表示の多かったカテゴリを1ページにまとめ、再訪用の連絡手段をフッターだけでなく商品下に置いた型です。リピート購入率が上がる保証はありません。新規と既存のキーイベント件数を、更新の前後で比べます。
サービス業(サロン、士業、教室、飲食など)
見るのは、曜日や時間の山(取れる範囲で)、料金・予約ページの表示に対する送信完了。フォームまで来るが完了しないときは、必須項目の数、スマホの入力、別タブの予約システムへの飛び方です。EFO は、項目を減らす、住所の自動入力、エラーをその場で出す、確認画面を1枚にする、といった改修です。必須を3つ減らしてCVが1.5倍、はここでは言いません。減らす項目は、実際に使っていない欄からにします。
ミニ事例です。問い合わせページの表示は半年で溜まったが、キーイベントがほとんど無い型と、必須を氏名・連絡先・希望日時に限り、スマホで送信まで通した型です。予約システムのドメインが別なら、参照元と完了イベントが途切れていないかも制作会社に確認します。
BtoB(製造、IT、専門サービス)
見るのは、Search Console のクエリの広がり(連携時)、探索でページ別のキーイベント。一律の問い合わせボタンより、半年間キーイベントが乗った記事や事例が先です。そこに、関連サービスのリンクと、一段低い行動(資料、メール相談)を足します。全記事に同じバナーを増やすより、貢献が見えた数本に集中します。商談数が伸びる、とは限りません。その記事経由のキーイベント件数を追います。マルチチャネルの貢献は、成果件数が少ないとアトリビューション画面では読みにくいです。経路探索の終点から、事例が手前に来ているかを見る方が現実的です。
ミニ事例です。全ブログに同じ CTA だけの型と、キーイベントが乗った事例3本に資料または相談を置いた型です。月2本の更新ノルマより、クエリと事例の題がずれていないかの方が先です。
半年分を使ったサイトと、記録だけ残したサイト
悪い例:毎月見ているが、同じ数字のまま直さない
流入もキーイベントも、月によって少し動くだけで、手を入れない。ダッシュボードは開いている。料金ページの表示は多いのに、トップのキャッチだけを四半期ごとに変える。蓄積は「記録」で終わります。伸び悩みの原因は、競合だけではありません。見えている詰まりを改修していない、という型です。
良い例:キーイベントが乗ったページを、入口の近くに持ってきた
半年でキーイベント率(または件数)が相対的に高い下層を、トップやグローバルの目立つ位置へ移す。アクセス総数は同じでも、成果の入口が変わることがあります。2倍になる、とは言いません。同じセッション規模でキーイベント件数が前の四半期より増えたか、を見ます。リニューアルではなく、並びとリンクの変更です。
制作会社に頼む「リニューアル未満」の半期改修
大きく作り直す前に、データで場所を指定します。伝えるのは感想ではなく、期間と画面です。
- 期間は公開から半年。新規/既存のセッションとキーイベントの差
- 経路探索で、キーイベント直前に多かったページ名
- デバイス カテゴリ別のセッションとキーイベント
- 自分で1件テストしたキーイベントが、今も記録されること
依頼の例です。「トップのデザイン一新」ではなく、「事例Aへの導線をファーストビュー付近へ」「フォームの必須を減らす(項目リスト付き)」「スマホの送信ボタンがキーボードに隠れる件」。費用対効果は、触るページが少ないほど見積もりしやすいです。運用契約に月1の改修が含まれるなら、半期レビューでこの3点を共有します。含まれないなら、ピンポイント改修として別見積です。
公開後半年 GA4データ分析&改善アクションチェックシート
業種 | 確認するGA4分析項目 | データから読む課題 | 打つ改善・更新 |
|---|---|---|---|
共通 | データの保持期間 | 探索が直近2ヶ月しか無い | 14ヶ月へ変更(管理画面)。過去は遡れないことがある |
共通 | 月次のトラフィック獲得とキーイベント | 3ヶ月目と同じ内訳のまま | 検索・SNS・チラシの着地を月ごとにメモし、1つ変える |
共通 | 探索・自由形式(新規/既存 × セッション × キーイベント) | 新規は来るが成果は再訪だけ、または再訪がほぼ無い | 初回用の条件・事例、または再訪の連絡手段(持つチャネルだけ) |
共通 | 探索・経路データ探索(終点=キーイベント) | 成果直前のページが想定と違う/枝が細すぎる | よく通る1本のリンクとCTAを補強。件数少なら率で判断しない |
共通 | 探索・自由形式(デバイス × キーイベント) | スマホ訪問が多いが成果はPC | 実機でフォーム・電話・表。EFOは項目削減から |
小売 | 月次スパイクと既存ユーザーの購入・来店イベント | セール月だけ伸び、その後戻らない | 着地に在庫・来店。よく見られたカテゴリの一覧 |
サービス | フォームページ表示 vs 送信キーイベント | 表示に対して完了が極端に少ない | 必須項目、スマホ、外部予約への計測切れ |
BtoB | Search Console のクエリ、ページ別キーイベント | 読まれている記事とCTAが一致していない | 貢献が見えた記事にサービス導線と資料/相談 |
共通 | 制作会社への共有 | 「なんとなく少ない」だけ伝えている | 期間、画面名、直したいページを1つに絞る |
まとめ:半年分は、自社だけの比較材料である
他社のベンチマークより、自社の前半3ヶ月と後半3ヶ月、新規と再訪、成果直前のページの方が使えます。サイトを「営業マン」に育てる、は比喩です。実際にやるのは、計測を保ったまま、通っている道を太くし、詰まっている画面だけ直すことです。全ページの作り直しは、場所が決まってからで間に合います。
公開後の数字の見方、半期でのピンポイント改修の相談は、相談・お問い合わせからどうぞ。