【公開後3ヶ月】GA4でどこを見る?制作会社に頼んだHPを成果に繋げる業種別データ分析法

ホームページを制作会社に頼んで公開した。GA4 も入っている。管理画面を開くとグラフは動いている。ところが、ユーザー、セッション、エンゲージメント率、イベント名が並び、どこを見れば問い合わせや来店につながるのか分からない。公開から3ヶ月。数字は溜まったのに、更新はお知らせ1本、という中小企業は少なくありません。
結論から書きます。公開後3ヶ月は、まだ「全部を読む」段階ではありません。 見るのは次の3つに絞ります。人がどこから来たか(流入経路)。どのページを見ているか。問い合わせや電話など、成果として登録した操作(キーイベント)が起きているか。業種ごとに、その3つから次の更新を1つ決める。アクセス数が多ければ成果が出る、とは言いません。サンプルもまだ小さいです。見る場所を絞ると、制作会社に聞く言葉と、自分で直すページが決まります。
この記事では、フリーランスのWebディレクター兼エンジニアとして、納品後の数字の見方を整理します。予約が倍増した、毎月受注できた、といった確認できない成果は出しません。画面名は 2024年以降の GA4(コンバージョンが「キーイベント」に改称されたあと)に合わせます。
公開後3ヶ月で、まず見る3つ
期間は「過去3ヶ月」か「公開日〜昨日」に揃えます。今日だけ、リアルタイムだけ、では判断しません。GA4 が入っていることと、成果イベントが取れていることは別です。フォーム送信や電話タップがイベント一覧に無いなら、先に計測を確認します。数字がゼロでも、計測漏れのことがあります。
1. 流入経路(レポート → 集客 → トラフィック獲得)
「人はどこから来たか」は、日々の訪問なら トラフィック獲得 です。行の軸は「セッションのデフォルトチャネルグループ」が初期です。よく出るのは Organic Search(検索)、Direct(直接または計測できない流入)、Organic Social(SNS)、Referral(他サイト)、Paid Search(検索広告)です。
ユーザー獲得 は、その人が最初にサイトを知った経路です。新規の入り口を見るときに使います。公開直後は Direct が多く見えがちです。ブックマークだけでなく、メールのURL、QR、計測パラメータが無いチラシも Direct に寄ります。「検索が弱い」と決めつける前に、チラシと検索の両方を疑います。
2. 見られているページ(レポート → エンゲージメント → ページとスクリーン)
表示回数と、平均エンゲージメント時間を見ます。入口(最初に開いたページ)は ランディングページ レポートです。商品や料金、ブログが読まれているのにトップだけを直している、はよくあるズレです。エンゲージメント時間に業界の正解値はありません。同じサイトの他ページや、前月比で見ます。
3. 目標(レポート → エンゲージメント → イベント / キーイベント)
成果は、いまの GA4 では キーイベント です。古い資料の「コンバージョン」と同じ役割です。問い合わせ完了、資料請求、電話リンクのクリック、カート追加は、タグやイベント設定が無いと出ません。page_view や session_start だけ並んでいてキーイベントが空、は「成果が無い」ではなく「まだ数えていない」ことが多いです。制作会社に、何をキーイベントにしたか、テスト送信が記録されるか、を先に確認します。
検索キーワードは GA4 だけではほぼ見られません。Search Console を連携していれば、そちらの検索パフォーマンスでクエリを見ます。未連携なら、流入の「検索」とページの対応までが3ヶ月目の範囲です。
【業種別】3ヶ月目に見る場所と、次の更新
数字は課題の候補です。少人数サイトでは、1件の問い合わせで率が大きく動きます。週次の率より、件数と、どのページのあとで起きたかを見ます。
小売(ECと店舗の併用)
見る画面は、トラフィック獲得(検索と SNS)、商品ページの表示回数、設定済みならカート追加や購入、tel: や地図リンクのクリックです。EC イベント(add_to_cart / purchase)は、ショップの計測が入っていないと出ません。入っていないなら、商品ページの表示と、店舗アクセス・電話のクリックから見ます。
商品は見られているのに来店や購入が無いときは、商品ページの末尾に、店舗で実物を見る導線、営業時間、在庫の問い合わせ先が無いかを見ます。クーポンを足すなら、期間と対象を本文に書き、クリックもイベントにする。SNS 流入が多いのに商品詳細が短いなら、写真と価格条件を先に足します。
ミニ事例です。検索で商品名は当たっているが、店舗情報へ行くリンクがフッターだけ、という型と、同じ商品ページにアクセスと営業カレンダーを置き、電話タップをキーイベントにした型です。来店が増える保証はありません。測れるようになってから、月次で件数を比べます。
サービス業(サロン、士業、教室、飲食など)
見るのは、トップからメニュー・料金・スタッフへの動き、予約や問い合わせフォームの到達と送信です。標準レポートだけではページ間の遷移が見えにくいことがあります。そのときは探索の経路データで、料金ページの前後を見ます。料金ページの表示は多いのにキーイベントが少ないときは、税込か、初回の条件か、所要時間が書いてあるかを見ます。離脱が多い=料金が高い、と決めつけません。不安が残っているだけのこともあります。
改善は、明朗な料金表、初回来店の流れ、確認できる範囲の事例写真、FAQ です。お客様の声は、掲載許可があるものだけです。
ミニ事例です。料金ページの表示だけ多く、フォームまで届かない型と、「初回の流れ」と所要時間を足してフォーム到達を見る型です。予約が倍になる、とは言いません。到達と送信の件数が、更新の前後で追えることが先です。
BtoB(製造、IT、専門サービス)
見るのは、Search Console のクエリ(連携時)、サービス詳細のエンゲージメント時間、問い合わせ完了と、あれば資料請求です。サービスページは読まれているのに送信が無いときは、「今すぐ商談」だけがボタン、という型が多いです。確認できる導入の書き方、対象外、次の一歩(資料、メール相談)を足します。PDF ダウンロードを成果にするなら、クリックまたは完了をイベントにします。置いただけでは GA4 に出ません。
ミニ事例です。問い合わせ完了が0のまま、キーイベント未設定だった型と、事例を公開ページに1本足し、資料または相談のボタンを同じページに置いた型です。月2本で案件化した、はここでは言いません。検索クエリと事例の題がずれていれば、本数より題を合わせます。
数字を見て直したサイトと、半年開かなかったサイト
悪い例:GA4 を開かず、フォームが止まっていた
公開後にテーマやプラグインを更新し、完了ページのURLが変わった。イベントは旧URLのまま。画面上はフォームが送れたように見えて、管理者に届かない。訪問は毎月ある。気づいたのは半年後、という型です。悲劇に演出する必要はありません。公開後3ヶ月の時点で、自分で1件テストし、キーイベントと受信箱の両方を見る、で防げます。
良い例:3ヶ月目に、伸びているページへ導線を足した
想定していなかった解説ページや事例の表示が多い。そこに、関連するサービスのリンクと問い合わせを足す。トップのキャッチだけを直すより、すでに読まれているページを先に直す、という進め方です。毎月受注できる、とは限りません。見られている場所に、次の行動を置く、が3ヶ月目の使い方です。
制作会社に聞いてよい質問
数字の「高い・低い」は、業種の平均値より、自社の前月と、設定の有無で見ます。聞くときは、画面名と期間を揃えます。
- キーイベントは何を数えていますか。テスト送信は記録されますか。
- トラフィック獲得の Organic Search と Direct の内訳で、チラシやQRは計測できていますか。
- このページの平均エンゲージメント時間は、他の下層と比べてどう見ますか。業界の正解値は無い前提で聞いてください。
- スマホのフォーム離脱が多いように見えます。入力欄、送信ボタン、エラー表示を実機で見てもらえますか。
- Search Console は連携済みですか。未連携なら、キーワードは今は見なくてよいですか。
- 次の1ヶ月で、数字に基づいて直すページはどれですか。
聞き方は、責めるのではなく「3ヶ月の期間で、この画面を一緒に見てほしい」です。納品物に運用が含まれない契約なら、改善は別見積です。含まれるなら、月1の短時間で3画面を共有する、と決めておくと続きやすいです。
公開後3ヶ月 GA4分析&改善アクションチェックシート
業種 | 確認するGA4画面 | 課題のサイン | 打つ改善・更新 |
|---|---|---|---|
共通 | 集客 → トラフィック獲得 | Direct だけ突出、検索が極端に少ない | チラシ・QRに計測用URL。Search Console 連携の有無を確認 |
共通 | 集客 → ユーザー獲得 | 新規の入り口が想定と違う | 広告・SNSのリンク先を、トップ以外の該当ページに |
共通 | エンゲージメント → ページとスクリーン | 下層は読まれ、トップだけ直している | 表示の多いページに次の行動を足す |
共通 | エンゲージメント → イベント / キーイベント | キーイベントが空、または | 何を成果にしたか確認。自分で1件テスト |
共通 | リアルタイム(テスト時のみ) | テスト操作が流れない | タグ、同意バナー、完了URLのずれを疑う |
小売 | 商品ページの表示、カート/電話/地図(設定時) | 商品は見られるが来店・購入イベントが無い | 店舗アクセス、営業時間、在庫の問い合わせを商品ページへ |
サービス | 料金・メニューの表示、フォーム到達・送信 | 料金は見られるが送信が無い | 料金条件、初回の流れ、許可済みの事例とFAQ |
BtoB | Search Console のクエリ、サービス詳細、問い合わせ/資料 | 熟読されているが送信0 | 対象外と事例。資料や相談など一段低い行動。PDFはイベント化 |
共通 | ユーザー → テクノロジー | スマホ比率が高いのにフォームが使いにくい | 実機で入力と送信。制作会社に画面を共有 |
まとめ:3ヶ月目は、鏡を3枚だけ見る
GA4 は難しい指標の全集ではありません。公開後3ヶ月は、流入、ページ、キーイベントの3つが、顧客の動きの鏡です。業種ごとに見る行は違っても、やることは同じです。計測されているかを確かめ、見られているページに次の行動を置き、制作会社には画面名と期間を付けて聞く。成果は保証しません。放置してフォーム停止に気づかない、よりは、次の更新が決まります。
GA4 の初期確認や、公開後の数字の見方・改善の相談は、相談・お問い合わせからどうぞ。