【自社サイトのポテンシャル分析】自社サイトはAIに検索されているのか?可視化する分析手順と運用方針の決め方

ChatGPT や Perplexity で「引用される」時代になった。自社サイトはその回答のソースになっているのか。GA4 を開いても「AI引用」という項目は無い。不安だけが残る、という相談は増えています。
結論です。露出の全体を、公式の一本の指標で可視化できるわけではありません。 できるのは、人がクリックして来た参照(GA4 の Referral)、サーバーやCDNに残るクローラの足跡、主要ツールでの目視、そして本文と JSON-LD が機械に渡せる状態か、の四点です。これで「ポテンシャル」の仮説は立てられます。無駄な全面改修を避け、次に足すものを決める材料です。GEO は公式の順位指標ではありません。2026年以降の勝ち筋がこれで確定する、とも言いません。
この記事では、フリーランスのWebディレクター兼エンジニアとして、測れる範囲と、結果の見方に応じた運用の置き方を整理します。Perplexity 流入を獲得した、Gemini の引用元に定着した、カード表示された、といった確認できない成果は出しません。
準備:確認する3つのアプローチ
三つを混ぜないことが先です。流入(人が来た)、クロール(機械が取った)、引用(回答に載った)は別です。
1. GA4で「人がAI経由で来たか」
レポート → 集客 → トラフィック獲得。セカンダリや探索で、セッションの参照元 / メディアを見る。chatgpt.com / perplexity.ai / gemini.google.com などが Referral に出ることがあります。出た件数は「その画面からサイトへクリックした人」です。引用回数そのものではありません。ゼロでも、引用されていない証明にはなりません。リンクが無い回答、コピーだけ、アプリ内ブラウザで Direct になる、は拾えません。
User-Agent(ChatGPT-User、ClaudeBot、Google-Extended など)は、標準の GA4 画面ではほぼ使えません。 ボットは除外されやすく、ブラウザの計測タグもクローラには発火しません。見るならアクセスログ、CDN、サーバーの user-agent です。Google-Extended は学習用クローラの識別で、AI Overviews の引用条件ではありません。ログにボットがいても、回答に載っているとは限りません。
2. Search Console と、主要AIでの目視
Search Console は、通常検索のクエリと URL です。AI Overviews への掲載は、Google の説明では通常の検索トラフィックに含まれます。専用の「引用回数」列はありません。
目視は、主力の語と「〇〇 おすすめ」「〇〇 選び方」を、Perplexity / ChatGPT / Gemini に同じ文で投げる。ソースやリンクに自社 URL があるか、日付と質問文を記録する。ログイン状態、地域、モデルで答えは変わります。月1のサンプルであり、KPI には向きません。
3. 本文と JSON-LD が、取り違えにくいか
スキーマが「正しく認識され、AI がファクトとして抽出する」保証はありません。確認できるのは次です。見える文と JSON-LD が一致しているか(Google のガイドライン)。検証ツールで壊れていないか。FAQ が初期 HTML で読めるか。Google の AI 機能向けに特別な schema.org は不要、と公式は書いています。適合度チェックは、引用の予測ではなく、取り違え防止です。
結果で分ける、3つの運用シナリオ
判定はスコアではなく、上の三点の組み合わせです。一つでも欠けていれば「低」と決めない。
A. 一部のツールで URL が出た、または Referral がある
方針は、出たページの事実を厚くする。日付、条件、対象外。JSON-LD を同じ文で揃える。新規の薄い記事を増やすより、既に触られた URL を主参照に近づける。座を固める、は保証ではありません。同じ質問で翌月も出るか、Referral が続くかを見ます。
B. 通常検索では見えるが、目視でも Referral でも AI 側に無い
方針は、抽象を減らし、質問と答えを最初から読める形にする。畳んだ FAQ だけが弱い、と決めつけない。初期 HTML に答えが無い、JSON-LD と本文が違う、は直す。一問一答の箇条書きは、人がスキャンしやすく、機械も区切りやすい、という改修です。これで引用される保証はありません。
C. 検索も弱く、目視でも出ない
方針は、広い一般論の量産をやめる。事例、施工、取材など、他サイトに無い一次情報へ寄せる。全面シフト、は人員次第です。まず1本、確認できる事実だけを書く。無視されている、は検索と目視の両方が弱いときの仮説です。
【業種別】見る場所と、次の一手
小売(ECと店舗の併用)
注目は、比較・仕様の語で、目視のソースに商品 URL があるか。GA4 の Referral。運用は、Product を物販ページに限り公式の必須項目で、画面と同じスペックにする。スタッフの使用感は、在庫と条件が事実のものだけ。スペック表だけで無視された/レビューで Perplexity 流入、はここでは言いません。見るのは、その商品 URL の目視記録と Referral です。
サービス業(サロン、士業、教室、飲食など)
注目は、「地域+サービス」「悩み+手段」での目視。推奨カードに出た、は環境依存なので記録に留める。運用は、FAQ を最初から読めるようにする、他社との差(対象・やらないこと)を表または見出しで出す。アコーディオンが絶対読めない、とは限りません。初期非表示や遅延読み込みは、人間のタップとページ内検索を先に疑います。
BtoB(製造、IT、専門サービス)
注目は、用語解説や事例 URL が、目視の根拠リンクにあるか。運用は、図と事例付きの課題解決を1本、確認できる数字だけ。PDF は、画像だけよりテキストがコピーできる形。Gemini に定着、は言いません。一般論ばかりなら、事例1本に寄せます。
方針を変えたサイトと、詰め込みを続けたサイト
悪い例:測らず、旧来のキーワード記事だけ足す
AI のせい、と決め、どこを直すか分からない。ジリ貧の原因は、検索の変動、季節、計測切れのこともあり、AI だけではありません。
良い例:目視と Referral で、触られている型を見る
FAQ と事例に時間を寄せる。Google と AI の両方から質の高いリード、は約束しません。触られた URL のキーイベントを、通常検索経由と Referral で分けて見ます。
自社サイト AI検索ポテンシャル診断&運用方針決定チェックシート
分析項目 | 確認ツール・手法 | 判定の目安 | 決める運用 |
|---|---|---|---|
人がAIから来たか | GA4 参照元(chatgpt / perplexity 等) | 件数と着地 URL。ゼロは未証明 | 着地を厚くする/まだ目視へ |
クローラが来たか | サーバー/CDN の UA | ボット有無。引用ではない | ブロックしていないか確認。成果指標にしない |
回答にURLが出たか | 主要AIへの同一プロンプト、月1記録 | 出た/出ない/揺れる | KPIにせず、出たページを優先更新 |
通常検索の位置 | Search Console | 表示・クリックがあるか | あるのに目視ゼロなら構造。両方弱なら一次情報 |
本文とラベル | リッチリザルトテスト、画面との突き合わせ | 一致/不一致/未設置 | 不一致を先に直す。引用保証にはしない |
FAQの初期表示 | 実機と HTML | 最初から読めるか | 畳みより精読。検索・引用は別 |
小売 | 商品 URL の目視と Product | スペックが画面と同じか | 事実の使用感。ダミー価格は足さない |
サービス | 地域語の目視、差の明示 | 対象外が書いてあるか | FAQ を開く。比較は確認できる差だけ |
BtoB | 事例 URL の目視 | 一般論か一次か | 事例と図。PDF はテキスト |
共通 | 三つの結果の組み合わせ | A/B/C の仮説 | 量産を止め、触られた1本または一次情報1本 |
まとめ:現在地は、公式スコアではなく組み合わせである
GEO は、今のサイトがどこまで機械と人に渡せるかを見ることです。可視化できる範囲と、目視の限界を分けてから、足すものを1つ決める。診断代行という商品名である必要はありません。
流入の見方や、本文と構造化の揃え方の相談は、相談・お問い合わせからどうぞ。